リズム運動というものをご存知でしょうか?
一定のリズムで筋肉の緊張と弛緩を繰り返し、セロトニンを活性化させる運動のことを言います。
じつは、普段無意識に行っている呼吸も、ちょっと意識的にするだけでリズム運動になるのです。
呼吸によってセロトニン神経を活性化させるためには、腹式呼吸のひとつである「腹筋呼吸」を覚えなければいけません。
セロトニン神経がきちんと働いていれば、ストレスを受け流す強い体質になることができます。ぜひこの機会に実践してみてください
腹筋呼吸とは
腹式呼吸をさらに細かく分けると、「横隔膜呼吸」と「腹筋呼吸」の2つの呼吸法があります。
腹筋呼吸法は、セロトニンの活性化を行うためのリズム運動での一つで、坐禅やヨガなどのセロトニン活性に良いとされるリズム運動では、すべてにこの腹筋呼吸法が使われています。
「腹式呼吸をしてください」と言われたら、ほとんどの人がまずお腹をふくらませながら大きく息を吸い込むのではないでしょうか。このように、「吸う」ことから始まるのが横隔膜呼吸です。
息を吸うところから始めて、横隔膜が下がりきったときに自然と息を吐くので、腹筋を使うことはありません。目一杯に息を吸い込めば、意識をしなくても自然と息を吐こうとしますよね。
これに対して、腹筋呼吸では息を「吐く」ことを意識して始めます。腹筋の力を使い、息を吐いて吐いて、もう吐き出せないというところまで吐き出すと、腹筋を緩めたときに自然と息を吸おうとします。これが腹筋呼吸法です。
腹筋呼吸の効果
腹筋呼吸によってセロトニンが増え、ストレスを受け流す体質になると様々な効能が期待できます。
- ストレス解消
- 頭痛・片頭痛の解消
- 不眠の解消
- 集中力の向上
- 背筋が伸びて姿勢が良くなる
- 冷え性改善
そのほかにも、精神的ストレスに強くなることで、イライラして人や物にあたったり、食べ過ぎや衝動買いをしてしまうといった、ストレスによる突発的な行動を抑えることができるようになります。
腹筋呼吸のやり方
腹筋呼吸法の手順はとても簡単です。次の3ステップを繰り返すだけで、セロトニン神経が活性化してストレスに強くなれますよ。
- みぞおちあたりに手を当て、意識を呼吸に集中させる。
- 腹筋を使ってお腹をへこませ、10~15秒掛けてゆっくり息を吐き出す。鼻と口どちらでも大丈夫。
- 腹筋を緩め、鼻から自然に任せて息を吸う。
腹筋呼吸を効果的におこなうためのポイントは、息を吸う時間よりも吐く時間の方を長くすること。
そして、腹筋を使い息を吐き切るようにすることです。
リズム運動と聞くとテンポよくのイメージを浮かべてしまうかもしれませんが、腹筋呼吸では、ゆっくりと自然に近い状態で呼吸をすることを心掛けましょう。
また、脳内のセロトニンを増やすためには、最低でも5分間、長ければ20分~30分程度おこなう必要があります。
無理に長く続けようとせずに、苦しくなったら終了するなど、楽に続けられる長さで呼吸をするようにしましょう。
最後に
今回ご紹介した腹筋呼吸法によるセロトニンの活性化は、ヨガやウォーキングなどのリズム運動と組み合わせることで、単独で行うよりも高い効果を期待できます。
上手に組み合わせて、無理なく楽しみながらストレスに強い体づくりをしてみてください。