心のバランスを整えてくれるセロトニンを増やし、ストレスに負けない脳づくりをするためにはリズム運動が欠かせません。
セロトニンの活性化に有効なリズム運動ですが、何も考えずにウォーキングやランニングを行っても高い効果は期待できないのです。
リズム運動の効果を上げる呼吸法
いつもは無意識に行っている呼吸も、ちょっと意識をしてみれば、セロトニン神経の活性化につながります。その方法が腹筋呼吸法です。
腹筋呼吸法は、腹式呼吸のひとつで、ヨガや座禅、ウォーキングなど、リズム運動に用いられている呼吸法は、すべてこの呼吸法を意識して行われます。
やり方は、息を限界まで吐いて、もうこれ以上吐けないというところまでお腹をぐーっと絞ります。次に、腹筋を緩めて鼻からゆっくりと息を吸い、またお腹を引っ込めながら吐く、この繰り返してです。
リズム運動をする際の呼吸法基本としてしっかりと身に着けていきましょう。
セロトニンの活性化に効果的なリズム運動
身体を動かすもの
一定のリズムの動きであれば、セロトニン神経はそれだけで活性化していきます。効果的なものの一部を書き出すと、次のような運動が挙げられます。
- ウォーキング
- ランニング
- サイクリング
- 水泳
- スクワット
- ラジオ体操
- フラダンス・盆踊り
- 和太鼓
体を動かすリズム運動を選ぶ際は、どんな運動が自分に合っていて無理なく続けられるのかを考えて選ぶようにしましょう。自分の好きな運動であれば、ストレス解消にもなります。
セロトニン活性化を意識したリズム運動では、集中してリズミカルに行うことが大切です。誰かと一緒にやるよりも、ひとりで自分のリズムを崩さずにマイペースに行うと効果的です。
腹筋呼吸を意識して、体に負荷をかけすぎないようにしながら10〜30分で切り上げましょう。ただし、疲労を感じたらそこで終わりにします。疲れの原因物質がある乳酸がたまると、セロトニン神経の活性化を妨げてしまうことがあるので逆効果です。
また、フラダンスや盆踊りなど、動きが単純で激しくないものであれば効果が期待できますが、エアロビクスのような動きが複雑なものはリズム運動には向いていません。動きを覚えようと左脳が働くことで、セロトニンの活性を妨げてしまうからです。
呼吸法を活用したもの
- 歌・朗読
- 座禅
- ヨガ
歌をうまく歌ったり、座禅の足の組み方や姿勢の維持を意識するよりも、まずは腹筋呼吸を極めることの方が大切です。そのほかの方法でも、腹筋呼吸を意識して続けていくことがセロトニン活性化の効果を高めます。
ヨガでリズム運動するときのコツは、痛いけど気持ち良く感じるポーズをとることです。ただ痛いと感じる「苦痛」ではなくて、痛いけど気持ち良い「痛快」な状態が、最もヨガの効果を発揮できます。また、動作の中で腹筋呼吸を意識するのも忘れないようにしましょう。ヨガの原則は1.動作、2.呼吸、3.意識集中です。この3つを合わせて行えば、セロトニン活性の効果がより高まります。
咀嚼
ものを噛むことがリズム運動になるなんてと思うかもしれませんが、これも意識をして行えば、ちゃんとしたセロトニン神経を活性化させてくれます。
例えば、朝ご飯を抜いた子どもは、きちんと朝ご飯を食べた子供と比べて、午前中の授業に対する集中力が低いと言われています。つまり、朝ご飯を食べた時の咀嚼によって、セロトニンが活性化し集中力が高まったということですね。
噛み続ける食べ物といえばガムが挙げられますね。ガムも一定のリズムで噛み続ければセロトニンが増えることがわかっていますので、忙しい方にはピッタリかもしれません。ただし、リズム運動は同時に言語脳を使ってしまうと効果が落ちてしまうので、出来るだけ「噛む」ことに集中するようにしましょう。言語脳は、言葉をしゃべったり、文章を読んだり書いたりするときに働きます。
リズム運動をする際のポイント
太陽光を浴びながらだと効果が高まる
セロトニンの活性に太陽光は欠かせません。
セロトニン神経は、日中に周期的なリズムでセロトニンを出し続ける特性があります。光がない環境でもある程度は増えますが、光を当てることで意図的に増やすことができるのです。
リズム運動を行う際、外に出てウォーキングなどをするなら、日が出ている時間帯に行うと効果的です。室内であっても、カーテンを開けて陽射しを浴びながらヨガをすればより高い効果が得られますよ。
ながら運動は控える
セロトニン神経の活性化のためには、意識の集中が必要です。おしゃべりをしているなど他のことをしながらだと、せっかくのリズム運動の効果が低下してしまいます。
初めは1日5分でも大丈夫
リズム運動のトレーニング時間ですが、最初は5分程行えれば大丈夫です。慣れてきたら徐々に時間を延ばしていき、最終的には30分を目安にして続けていくのが理想的です。
重要なのは初めの3ヶ月
リズム運動によってセロトニン神経を鍛え、ストレスに負けない構造にするには3ヶ月間の期間が必要だと言われています。さらに、トレーニングは毎日続けなければいけません。1日ごとのリズム運動に費やす時間は短くても大丈夫なので、続けることが大事だということを理解しておきましょう。
最後に
筋肉を鍛えたいと思ったら、毎日コツコツと練習しますよね。
リズム運動も同じで、心のバランスを整えてくれるセロトニンを増やし、ストレスに負けない脳づくりをするためには毎日続けることが、何よりも大切なことなのです。
休まずトレーニングを続ければ必ず変化が現れます。頑張りましょう。