睡眠

枕選びでこだわるべき5つのポイント|サイズ・形状・素材・硬さ・高さ

枕の選び方

快適な睡眠は、1日の疲れをとり、ストレスをフリーにしてくれますが、その質の高い睡眠をとる上で最も重要な寝具が枕です。

ただし、自分に合っていない枕を使うと肩や首の筋肉が緊張し、気道が圧迫されて心地よい睡眠をとることができません。

どんな枕を選ぶべきなのか、そのポイントについてお話していきます。

枕が睡眠の質を高めてくれるわけ

枕選びの前に、枕の重要性と効果について見ていきましょう。

自然な寝姿をキープしてくれる

質の高い睡眠をとるには、自分にとって無理のない寝姿で眠ることですが、その「自然」で「快適」な寝姿とは、

  • まっすぐ立っているときの姿勢そのままで横になる状態

だとされています。

そのために必要なのが枕です。

枕は横になった時にできる首筋のカーブと、寝具の間にできるすき間を埋める役割をしてくれます。

枕を使わないと、首が支えられずに体に負担がかかってしまい、放っておくと、頭痛や肩こりの原因にもなってしまうのです。

また気道が圧迫され、いびきの原因にもなります。

首と肩を安定させてくれる

首は体重のおよそ8%の重みがある頭を日々支えています。

それだけでなく、車の運転、荷物の運搬、前かがみの姿勢などで酷使されています。

睡眠は、このダメージや疲労をリセットするために欠かせないものなのです。

枕はこの大切な睡眠を、首と肩を安定させることでサポートしてくれています。

体幹を支える背骨は、加齢とともに椎間板という軟骨が失われていき、本来の柔らかさを失い硬くなっていきます。

この変化が、枕のフィット感を変えていきますので、自分に合う枕は年齢によっても変わってくるということになります。

枕の位置が重要

枕は肩口まで枕を引き寄せて深めに頭をのせるのが正しい当て方です。

こうすることで、枕が後頭部から首筋にかけて頭全体の重さを支え、睡眠中の体の負担を軽減し、質の高い睡眠へ導くという理想的な枕効果を生み出します。

ただどんなに正しい当て方をしても、枕自体が自分に合うものでなければ意味がありません。

理想の枕の選び方

快適な睡眠をサポートする枕選びには、下記の5つのこだわるべきポイントがあります。

  • サイズ
  • 形状
  • 素材
  • 硬さ
  • 高さ

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

枕のサイズを選ぶ 

一般的なサイズ感としては下記があります。

  1. 一般的なサイズ 43×63cm
  2. ひと回り大きいサイズ 50×70cm
  3. ひと回り小さいサイズ 35×55cm

枕のサイズは、体の大きさに、寝返りの大きさをプラスして選びましょう。

中肉中背の方が一般的なサイズにしたとき、寝返りの大きい方だと睡眠中に頭が枕から落ちてしまうことがあります。

これは快適な睡眠を妨げてしまうことになりますから注意しましょう。

寝返りには、睡眠中の寝姿を無意識的に調整するという働きがあります。

この調整は快適な睡眠にとってとても大切なもので、

  • 一定の部位に圧力がかからないようにし血流をスムーズにする
  • 寝具を換気し蒸れるのをふせぐ
  • 体の歪みを整える

以上のような大切な働きがありますから、無理なく寝返りできるようなサイズを選びましょう。

たとえば自分が一般的なサイズだとしたら、ひと回り大きい50×70cm以上の枕を使うことをオススメします。

横向きで寝る場合は、43×100cmのロングタイプ枕もオススメです。

膝と膝の間に柔らかいクッションとして使うことで、安定してリラックスできるようになります。

枕の形状を決める 

目的や好みに合わせ、自分の体型にフィットする枕を選んでいきましょう。

枕の形状を選ぶときのポイント

首筋をやさしく支え、後頭部の丸みを自然に受けとめる形状の枕を選びましょう。

両サイドはやや高めで、横向きにも対応していて無理なく寝返りがうてれば最適です。

片寄りやすい枕は、首が落ち込み頸椎を圧迫しますから、眠りが浅くなり、肩こりやいびきの原因になります。

また、横を向いた時に頭のおさまりが悪いと頭が左右に移動してしまい、首に痛みを感じるようになってしまいます。

形状とその特徴

標準タイプ

広く一般的に使用されてきた長方形の枕。

中心部ほどボリュームがあり、大きさや素材の違いで様々な寝心地を楽しめます。

くぼみタイプ

中央部がくぼんでいて、後頭部がすっぽりおさまり安定感があります。

ドーナツタイプとも呼ばれます。

ダブルサイズタイプ

標準タイプを横長にしたものです。

2人用としても、ゆったりとした1人用としても使えます。

ユニットタイプ

高さや素材が違う、いくつかのユニットに分割されているタイプです。

自分に合った形状に調整することができます。

ウェーブタイプ

横から見ると、波のように流曲線になっているタイプです。

低反発枕によく見られるタイプで、首元部分をしっかりサポートしてくれます。

ハートタイプ

ハートのような丸みを帯びた形状で、首元のボリュームが抑えられているので、首への負担が大幅に軽減されます。

肩サポートタイプ

頭だけでなく肩までのせるタイプで、クッションや抱き枕としても使用されます。

枕の素材を吟味する 

枕の素材を選ぶときポイントは、感触の心地よさと、どれくらいのフィット感がでるかです。

そのつぎに、通気性や吸湿性は自分の体質に合うか、水洗いや洗濯はできるか等をチェックしましょう。

枕に使用される素材は、現在とても種類が多く、どれが自分に合うのか迷ってし舞うと思うので、素材の種類と特徴、どんな方にオススメなのかをまとめてみました。

ウレタンフォーム素材

クッション性に優れ、S字カーブで心地よいフィット感があります。

高反発ウレタンは適度な硬さで、しっかりとしたサポートが好みの方にオススメです。

低反発ウレタンは、柔らかい寝心地が好みの方に。

どちらかというと湿気を溜めやすいので、水洗いできるものを選ぶと衛生的です。

ポリエステル綿素材

綿状の人口線維で、ふんわり柔らかで弾力性があります。

洗濯機で丸洗いでき回復力に優れています。

上質に特殊加工されたコンフォロフト綿、反発性の少ない粒綿等もあります。

柔らかめの寝心地が好みで、リーズナブルな枕が欲しい方に。

ポリエチレンパイプ素材

へたりにくく、耐久性、通気性、弾力性に優れています。

ホコリがつきにくく、丸洗いできるので衛生的です。

硬めが好みで、通気性重視の方にオススメです。

パイプの量が多すぎると、肩・首のこりの原因になることもあります。

そば殻素材

適度な硬さを持ち、安定感があります。

触った時のヒンヤリ感が良く、放熱性にも優れています。

頻繁に日に干し、湿気を取り除きましょう。

さわやかな使用感が好きな、コスパ重視の方に。

羽根・フェザー素材

羽根素材は、水鳥の羽根を採取して、洗浄・消臭した天然素材です。

通気性が良く、吸湿・保温に優れていて、冬暖かく夏は涼しいというメリットがあります。

ふんわり柔らかで独特な寝心地があり、自然素材にこだわりたい方にオススメです。

少々価格が高めでも、骨を抜いてあるものを選ぶのが無難です。

枕の硬さを確かめる 

ホテルや友人の家に泊まり、枕の硬さが合わなくてよく眠れなかったという経験はありませんか。

枕の硬さを選ぶ際は、自分にとっての最適な硬さ柔らかさを把握しておくことが大切です。

枕の硬さは素材で決まります。

硬い枕の素材の代表的なものに、そば殻、パイプ等があります。

柔らかいものは、ポリエステルや羽根です。

硬さや柔らかさは、人によって感じ方が違ってきますから、実際に手にとって確かめてみるのも良いですね。

通販などで購入する場合は、商品の詳細情報や口コミを十分確認するようにしましょう。

硬い枕のメリットデメリット

硬い枕のメリットとしては、頭をしっかり支えてくれる、頭が沈み込まないので寝返りがうちやすいなどがあります。

通気性の良いものが多く、繰り返し洗濯できる素材もあります。

デメリットは頭が沈まないのでぐらつきやすい、パイプやそば殻など素材の音がするなどが挙げられます。

通気性が高い分、どうしても保温性は低くなります。

柔らかい枕のメリットデメリット

柔らかい枕のメリットは、感触が良い、頭が適度に沈むので肩や首の負担が軽くなるなどがあります。

また保温性があり、高さの調節がしやすいのもメリットといえるでしょう。

デメリットは、頭が沈み過ぎる場合体に負担がかかる、柔すぎて頭が安定しないことです。

また、洗えない素材が多いので注意する必要があります。

自分に合う枕の高さとは 

枕選びで高さはとても重要なポイントになります。

高すぎると頭痛や肩こり、痛みの原因になるし低すぎると頭に血が上り、寝つきが悪くなります。

一番のポイントは何よりも自分のフィット感や好みを優先することです。

ここでは自分に合う枕の高さを知るポイントをみていきましょう。

寝る時の向き

仰向けで寝たとき脊椎のS字カーブにピタッとフィットするのが理想的な枕の高さです。

横向きで寝る人は寝たときの首の骨が床と並行に保てる高さが適切とされています。

性別

男性は枕に頭を乗せたとき、2~5cm程度の高さを選ぶと快適に感じるようです。

女性の場合は1~3cmの低めのほうが心地よく感じます。

これは男女の骨格の違いから、首の深さにも相違があるからです。

体格

がっちりした体格の人は、脊椎のS字カーブもしっかりとしている場合が多いので、高めの枕がオススメです。

女性や子どもは体格がほっそりしているので、低めの枕のほうがフィットしやすいとされています。

まとめ

「枕が変わると眠れない」という言葉を聞くように、睡眠にとって枕が重要だということでしょう。

自分にピッタリの枕で、快適で質の高い睡眠を手に入れてくださいね。

今回の内容をポイントを踏まえつつ、自分のフィット感や好みも大切にしましょう。

試し当てしてから購入するようにすると失敗も減りますよ。