睡眠

人はなぜ悪夢を見るのか?悪夢が続く5つの原因と対策

悪夢

「夢を見たことが一度もない」という人はいません。人は必ず夢を見ます。

普通の夢の場合は、目が覚めたら忘れてしまっていることが多いんですけど、悪夢のようなネガティブな内容を含んだ嫌な夢は記憶に残りやすいんですよ。

現実でも失敗したことって記憶に残りやすいですよね。

今回は、そんな悪夢を見てしまう原因と対策についてお伝えしたいと思います。

悪夢の原因は眠りが浅いから

睡眠は、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠を繰り返していて、夢をみたり、寝言を言ったりするのは眠りが浅いレム睡眠の時です。

悪夢をみることが多いのは、何らかの原因でレム睡眠の時間が増えて熟睡できていない(睡眠が浅い)からです。

では、これらの状態を引き起こす原因には何があるのか見ていきましょう。

ストレスによる悪夢

不安や緊張などの精神的ストレスによって自律神経のバランスが乱れると悪夢を見ることが多くなります。

強いストレスによって自律神経が乱れると脳が興奮し、眠りが浅く(レム睡眠)なって夢を見やすい状態になります。

そこに、ストレスの原因となった自分の中の辛かった記憶や情報が、眠っている間に無意識に悪夢として現れているわけです。

特に悪夢の原因になりやすいストレスは、人間関係や仕事、受験などです。寝る直前までこれらのストレスについて考えているときほど、悪夢を見やすくなる傾向があるようです。

アルコールのとりすぎ

日本では3割の人が寝酒に頼っているそうです。

寝付きが良くするためについついお酒に頼りたくなりがちですが、飲みすぎると体温の調節機能を麻痺させたり、心拍数を上げてしまいます。

その結果、睡眠の質が悪くなるうえに、効果が切れると目を覚ましやすくなってしまいます。

睡眠の質が低く、熟睡できない(レム睡眠の状態)ので、夢を見る時間が増えます。

なにか嫌なことがあって眠れない時にお酒に頼ると、眠りが浅い状態の時に、その嫌なことが悪夢として現れてくるのです。

薬の副作用

頻度は低いものの、抗うつ剤や睡眠薬などには、悪夢を引き起こす副作用があり、麻酔薬に使われるケタミンで不愉快な悪夢が増えるという研究結果もあります。

睡眠薬の中で一番多く使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、浅い眠り(レム睡眠)を減らして睡眠の質を向上させる作用があります。

しかし、薬の量を急に減らしたり止めたりすると、反動でレム睡眠が増えて悪夢を見やすくなる傾向があるようです。

病気の影響

基本的には、どんなも病気であっても精神的、身体的につらい状態が続くので、そうでない時に比べて悪夢を見る確率は高くなります。

例えば、風邪などの発熱を伴う病気や、睡眠中に呼吸が停止する睡眠時無呼吸症候群によって寝苦しいと感じれば、無意識に嫌な夢を見ることにつながるかもしれません。

うつ状態やうつ病の人も、脳の覚醒度が高いため、深い眠りにつけず悪夢を見やすいとされています。

食べ物による影響

日常生活の食事の栄養バランスも大切ですが、就寝直前に何かを食べると、身体の新陳代謝が上がり、それに合わせて脳の活動が活性化してしまうので、睡眠が浅くなり悪夢を見る場合があります。

特に辛い食べ物と高脂肪の食品がより睡眠に影響を与えます。

辛い食べ物

辛い食べ物は、体温を上昇させ、消化不良を起こしやすくなるので熟睡を妨げてしまいます。

国際心理生理学機構が行った研究の実験では、眠る前に辛い物を食べてもらったところ、目覚めるまでの時間が長くなり、睡眠の質も低下したそうですよ。

高脂肪の食べ物

肉類の脂やバター、甘いお菓子などの高脂肪の食べ物は、消化や吸収がしずらく、内臓に負担をかけてしまうので、睡眠の質を下げてしまいます。

お肉をたくさん食べた翌朝に体がだるいという経験をされた方もいますよね。

悪夢を見ないようにする3つの対策

悪夢を見ないためには、脳が休まる深い眠り(ノンレム睡眠)をしている時間を増やしていきましょう。

その対策方法をご紹介していきますね。

生活習慣の改善

飲酒、喫煙、コーヒーなど刺激物を控えましょう。具体的には、

  • 寝酒は飲まない。毎日飲まず、2日は間をあける。
  • タバコを吸うのは眠る1時間前までに。
  • カフェインを含んでいる飲食物は眠る4時間前までに。

そのほかに、適度な運動をしてみると良いですよ。とくに有酸素運動がストレス解消効果が高くおすすめです。

ジョギングやウォーキング、水泳、ヨガなどで酸素をたくさん吸い込みましょう。

寝る前に心を落ち着ける

ホットミルクを飲むと、心がホッとして寝つきが良くなり、質の良い睡眠がとれるようになりますよ。

牛乳には、トリプトファンという必須アミノ酸が含まれていて、このトリプトファンが体内で神経伝達物質(セロトニン)に合成されます。

このセロトニンが睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を促進する働きをしてくれることで、良く眠れるようになるわけです。

寝室の環境を改善する

室内環境をリラックスできるように改善して、快眠できる環境にすることも、眠りの質を上げて嫌な夢を避けるために有効なことです。

寝室の温度は、冬は18~22℃夏は26℃以下にすると、布団の中が理想的な温度(33℃前後)になって寝つきが良くなりますよ。

そのほかに、室内にアロマオイルを焚いたり、マイナスイオンを増やしてリラックス効果を高めたりするのも効果的ですね。

終わりに

大切なことは、質の高い睡眠をするということです。

人は、寝ることで脳と身体を休息させているので、良い眠りをすれば悪夢を見なくなるだけではなく、毎日の体調もどんどん良くなりますよ。

人生のおよそ1/3を占めている睡眠時間を無駄に使わないようにしましょう。

それではおやすみなさい!