悲しい時や辛かったときに思いっきり泣いてみたら気分がすっきりした経験がありませんか?
じつはこれは人間だけに与えられたストレス解消法なのです。
しかし、ただ涙を流せばよいわけではありません。そこで今回は、涙で心を落ち着ける効果的な方法をご紹介していきます。
なぜ涙がストレス解消になるのか
涙がストレスを和らげてくれるのは、泣くことによって自律神経の活動を、副交感神経に切り替えてくれるからです。
自律神経には、日中の活動やストレスを受けたときに働く交感神経と、睡眠中やリラックスしているときに働く副交感神経があり、この2つがバランスよく働いているときが、最も健康な状態を保っていると言えます。
ところが、不規則な生活や過度のストレスによって交感神経が過剰に働きがちです。こんな時は、意識的に副交感神経を刺激して、緊張状態を緩和してあげる必要があります。そこで効果を発揮してくれるのが、泣くことによる副交感神経の刺激というわけです。
人が涙を流がす時は副交感神経が優位になっているときと言われています。つまり、起きていながら睡眠に近いリラックス効果が期待できるわけですね。
感情的な涙がストレスを解消する
泣くことは確かにストレスの解消につながりますが、涙にも3種類あって、それぞれ役割が違っています。
- 目を保護するため、常に目を潤している涙
- 目にゴミが入ったときなど、異物を洗い流す涙
- 悲しい時や感動した時に出る涙
この3種類の中でストレス解消に関係しているのが、3番目の悲しい時や感動した時などにでる「情動の涙」です。
感動する映画やドラマを見て流す涙、スポーツ選手やオリンピック選手の活躍を見て流す涙のことで、もらい泣き、うれし泣きと言ってもいいかもしれません。つまり、情動の涙とは、物事に共感することで流す涙のことで、「感動の涙」とも言えます。
情動とは、笑ったり泣くといった、人が持っている心動きのことを言います。
ストレスを和らげる泣き方
涙によってストレスを緩和するには、情動の涙を流す必要があります。泣くための準備と言ってはあれですが、よりストレス解消の涙の効果を高めるための方法をいくつかご紹介していきますね。
感動できる映画やドラマを見る
恋愛でもノンフィクションでも、ジャンルはなんでもかまいません。自分が好きな作品であることが大切です。最近であれば、インターネットに投稿されている感動系の動画も良いですね。
じつは、どちらかというと既にみたことのある作品の方が内容を理解している分、登場人物たちに共感しやすい傾向があります。自分のお気に入りの一本を持っておくといいかもしれません。
ただし、ホラーはおすすめできません。恐怖は血圧や心拍数を上昇させてしまうので、泣けたとしても副交感神経の活性化効果は低いです。
週に1回の涙でも効果がある
そんなに少なくて効果があるのかと思うかもしれませんが、涙のリラックス効果は長時間持続するので、週に1回程度で十分に効果がありますよ。毎日泣く必要はありません。休日なら、泣いたことによる目元の晴れなどを気にしなくても大丈夫ですね。
ストレスがたまっているなと感じたときに泣いてみるのも良いですし、定期的に泣く日付を決めておくのも良いかもしれません。
5分で効果がある
長時間泣き続ける必要はなくて、実際に目から涙が出てから5分間程泣くだけで効果があります。
ただし、あくまでも感動の涙を流すことが大切だということを忘れないようにしましょう。映画やドラマを見始めてから感動にいたるまでには、ある程度の時間が必要です。共感し、感情移入することで質の高い涙を流すことができます。
朝よりも夜の方が良い
夜の方がその日1日分のストレスを一気に解消できて効果を実感しやすいです。また、朝よりも夜の方が感情が高ぶりやすいので、涙も出やすいようです。就寝前なら、後のことを気にせず思いっきり泣けますね。
泣くのを我慢しない
泣きたくなったときに我慢すると、交感神経の働きを抑えることができず。悶々とストレスが残ってしまいます。泣くと決めた時は思いっきり泣いた方がいいのです。
最後に
歳を重ねていくと、なかなか普段の生活で涙を流す機会というのはないものですよね。それは、泣いてもどうにもならないということを経験で学んでしまっているからかもしれません。
とくに男性は、涙を我慢する傾向があります。女性と比べてストレスがたまりやすいと言われているのは、泣くのを我慢していることが原因のひとつとされています。
しかし、感動で涙を流すというのは人間にしかできない究極のストレス解消方法です。泣きたいときには泣くと吹っ切れてしまった方が気持ちが軽くなるかもしれませんよ。