ハーブ

リラックス効果あり!カモミールで身体の中を浄化しよう

カモミールティー

カモミールは、リラックス系ハーブのなかで最も有名なもののひとつです。

イライラやストレスを軽減したり、不眠の解消などに使われていて、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

じつはカモミールには、それだけではない様々な効果効能があり、今回はその詳細をご紹介していきます。

カモミールとは

ドイツでは「母の薬草」とも呼ばれているほど高いリラックス・鎮静効果があり、世界中でもっとも親しまれているハーブのひとつです。

有名なイギリスの絵本「ピーターラビット」シリーズにも登場していて、お腹が痛いときや眠れないときに、お母さんうさぎがカモミールティーをスプーンでひとさじずつ飲ませて落ち着かせてくれるなど、カモミールが日常的に使われているシーンが描かれています。

代表的なカモミールの種類

カモミール

たくさんの種類がありますが、なかでもジャーマンカモミール(ジャーマン種)とローマンカモミール(ローマン種)は優れた効能を持っていることで有名です。

ジャーマン種はリンゴのような甘い香り、ローマン種はフルーティーな香りで、口当たりも良く優しい味わいが特徴です。

ただ、ローマンカモミールはティーにすると若干苦味があるため、ハーブティーにはジャーマンカモミール、アロマテラピーではローマンカモミールがよく利用されます。

心身に対するカモミールの様々な効果効能

カモミールの効果は、穏やかに作用するので、子どもにもおすすめですよ。

ストレスを和らげるリラックス効果で不眠も解消

カモミールのリンゴのような甘い香りには、興奮や緊張からくるストレスを緩和し、心身を落ち着かせてくれるリラックス効果があります。

仕事や勉強の合間の休憩にカモミールティーを飲むと、気分が落ち着いて頭をリフレッシュすることができます。

また、就寝前に飲めば、身体がリラックスしているときに働く「副交感神経」が活発になり、寝つきが良くなって質の良い睡眠が期待できますよ。

カモミールエキスによる美肌効果

カモミールから抽出される「カモミラエキス」という成分は、実際に美白成分として化粧品にも使用されています。

ヨーロッパでは古くから薬草として愛用されていて、日本でも江戸時代から利用されているカモミールは、高い信頼性を持っている成分と言えます。

美白成分に加えて保湿効果も優れていて、肌の乾燥を気にせずに、ニキビや肌荒れなどの肌にも安心して使うことができます。

抗糖化作用によるエイジングケア

ローマンカモミールに含まれる「カマメロサイド」という成分が、エイジングケアのひとつである抗糖化作用に非常に強いと言われています。

糖化は、糖分を過剰に摂取したときにたんぱく質と結合し引き起こされ、肌を黄ぐすみさせる原因になります。さらに、肌を衰えさせる「AGEs」という老化物質を作り出してしまい、本来あるべきハリ・ツヤ・弾力を奪ってしまいます。

飲みやすさではジャーマンカモミールですが、エイジングケア・抗糖化が目的であるなら、カマメロサイドを多く含むローマンカモミールを選びましょう。

風邪の悪化防止に効果的

ジャーマンカモミールは喉の炎症や扁桃腺の炎症を抑えて、咳を止めやすくする効果があるとされているので、とくに風邪のひきはじめなどに効果的です。

風邪のひきはじめにカモミールティーを飲む場合、さらにハチミツを混ぜて飲んでみましょう。カモミールの抗炎症作用とハチミツの抗菌作用の相乗効果で、炎症を抑えると同時に菌の繁殖を抑える効果が期待できます。

カマズレン(アズレン)による炎症の防止

ジャーマンカモミールには、抗炎症や抗アレルギー作用のある「カマズレン(アズレン)」という有効成分が含まれています。

アズレンには炎症を抑える効果があり、皮膚炎やニキビ、肌荒れを改善してくれます。そのほかに、消化器系の炎症も抑えてくれるため、胃腸の調子を整えたり、歯肉炎や口臭予防にも効果的です。

また、抗アレルギー作用もあるので、花粉症などのアレルギー症状を和らげる効果があるとされています。カモミールの蒸気を吸い込むだけでも、鼻づまりの改善につながります。

頭痛・生理痛などを和らげる

カモミールには鎮痛作用があり、頭痛や腰痛のほかにも、女性の生理痛やPMSなどを和らげる効果もあります。

さらに、カモミールには鎮痛作用に加えて、体を温める効果があります。生理痛は体の冷えで悪化しやすいため、カモミールティーは、月経による不快な症状を和らげてくれるのです。

カモミールティーで体の中から健康に

飲み物を飲む女性

ドライハーブを使ったティーカップ1杯分(150~180cc)のハーブティーの入れ方をご紹介します。まずは基本の入れ方をマスターして、徐々に自分流の入れ方を見つけていくのが良いですよ。

用意するもの

  • ドライハーブ(カモミール)
  • 温めたティーポット
  • 温めたカップ
  • ティースプーン

手順

  1. ティーポットにティースプーン山盛り1杯分のドライハーブを入れます。
  2. 沸騰したあとに一呼吸置いたお湯(90°C)を入れて3分待ちます。
  3. ストレーナー(茶こし)でこしてカップに注いで出来上がり。

また、ティーポットを使わなくても、ストレーナー付きのカップであれば、沸騰したお湯を直接カップに注ぐだけなので、より簡単においしく入れることができますよ。

カモミールティーの効果を高める飲み方

カモミールは比較的ほかのものと相性が良いことが多く、ブレンドしやすいです。そのまま飲むだけではなく、自分のお気に入りの飲み方を探すのも良いですね。

牛乳を入れてミルクティーに

カモミールのハーブティーに少しミルクを加えると、まろやかで優しい風味になりますよ。

牛乳も、カモミールと同じように神経を落ち着かせて安眠を誘う働きがあるので、相乗効果が期待できます。

他のハーブとブレンドする

カモミールのほかにも、リラックス効果や睡眠障害、鎮痛効果をもつハーブがあります。それらとブレンドすることでさらに効果が高まりますよ。

セントジョンズワート

憂鬱な気持ちを明るくさせてくれる

セントジョンズワート
ペパーミント

気持ちのリフレッシュや、胃痛に効果的

ペパーミント
オレンジピール

落ち込んだ心を元気づけて、気持ちをリフレッシュさせてくれる

オレンジピール
ローズヒップ

肌荒れを防いでくれるほか、風邪の予防効果をもつ

ローズヒップ

ジュースとブレンドする

ジュースとブレンドする場合には、果汁100%のフルーツジュースを選びましょう。

アップルやレモンも良いですが、オレンジが一番カモミールティーと相性抜群なのでおすすめです。

配合は、カモミールティー3~4割りに対して、ジュースが6~7割りを目安にブレンドしましょう。

カモミールを使ったアロマテラピー

カモミールアロマ

カモミールでアロマテラピーをするなら、ローマン種の精油(エッセンシャルオイル)がおすすめですが、肌荒れが気になるという方にはジャーマン種も良いです。

甘くやさしい香りは神経の興奮を鎮めて、ストレスやイライラした気持ちを落ち着かせてくれて、寝つきも良くなります。

深呼吸をして、香りをゆっくり吸い込むとより効果が高まりますよ。

アロマバスにつかる

入浴には血行を促進して新陳代謝を高めるとともに、筋肉の緊張や疲労を和らげる効果があります。

40°C前後のぬるめのお湯に、3滴ほどの精油をたらし、よくかき混ぜてから入浴します。15~20分ぐらい長めにつかればカモミールの効能が十分に効いてきます。

温湿布(冷温布)を作る

精油を含んだ湿布を作り、カモミールの効能を効かせたい部位にあてていきます。

洗面器などの容器にお湯(または冷水)をいれ、精油を1~3滴たらします。そして、タオルを浸して絞れば湿布の完成です。

湿布は作用が穏やかなので、子どもやお年寄りにも安心して使えます。

また、湿布の温度は、急性のトラブルには冷湿布、慢性のトラブルには温湿布が適しているとされています。

香りの蒸気を吸う

洗面器にお湯をそそぎ精油を数滴たらし、蒸気を吸ってカモミールの香りを楽しみましょう。洗面器に顔を近づけた状態で頭からバスタオルをかぶると、蒸気が逃げないのでより効果的です。

アロママッサージをする

マッサージオイルで全身をマッサージして血行とリンパの流れをうながしまよう。

リンパの流れに沿って、足先から太ももの付け根へ、手先から胸へと、手をすべらせていきます。

カモミールを使う際の注意点

様々な効能を持つカモミールですが、次の項目に当てはまる方は注意が必要です。

妊娠初期は使用を控える

カモミールには子宮を収縮させる作用がありますので、妊娠初期は使用を控えましょう。

妊娠初期を過ぎた後であれば、妊娠による腰痛を防いでくれたり、睡眠の質をあげることができるので大変効果的です。ただし、使用する前に、まずは産婦人科の医師と相談してみましょう。

キク科アレルギーの場合は使用を避ける

カモミールはキク科シカギク属のハーブなので、秋の花粉症のブタクサやキク科植物に激しいアレルギー反応がでる方は使用を控えましょう。

最後に

カモミールの用途は様々あります。自分に合った使い方をして心を落ち着かせましょう。

最近、緊張したりイライラしているなど、不調が続いているなと感じているときには、まずは気持ちを落ち着かせるためのティータイムを作ってみてはいかがでしょうか。