ショートスリーパーという言葉が近年よく聞かれるようになってきました。
これはその言葉が示しているように短い睡眠時間で生活することが出来る人のことを言い、一般的な傾向としては6時間未満の短時間の睡眠でも毎日の生活の中で高いパフォーマンスを出すことが出来る人のことを意味します。
一般的には7時間程度の睡眠をとったほうが健康的であるといわれていますが、近年では睡眠の質が上質であれば時間は必ずしも重要ではないとも言われています。
そんな中でショートスリーパーと呼ばれる生活スタイルを身に付けている人は、競争社会の中で有効な生活習慣を持っていると言えるでしょう。
歴史的にもこのようなショートスリーパーの特徴を持った偉人が存在しています。
非常にエネルギッシュなエピソードが残っている偉人の中には、わずかな睡眠時間で高いパフォーマンスを維持してきたということが記録として残っているケースも少なくありません。
このような要素は遺伝的な部分もあるかもしれませんが、元々は普通の生活スタイルであった人でも、意図的に生活習慣を見直すことでショートスリーパーになることも可能と言われています。
特に意識せず自然な状態でショートスリーパーでいられるのは全体の５％程度ではありますが、意図的に生活を見直すことで短時間睡眠で日中のパフォーマンスを高く維持できる人というくくりであればある程度の人数はいると言えます。
ちなみに睡眠時間が短いほうが優秀であるかと言えば、そうと言い切れるものでもありません。
睡眠時間が短く活動時間が長いということは様々な活動をする上で有利であると感じられますが、必ずしも長時間睡眠よりもパフォーマンスが高まるとは言えないでしょう。
特殊な例ではありますが、毎日10時間程度は寝ていたとされるロングスリーパーの中にもいジョンと呼ばれる存在は歴史に名を残しており、その代表的な例としてはアインシュタインを挙げることが出来ます。
アインシュタインと言えば専門外の人でも知っているほどの業績を残している科学者であり、睡眠時間と能力に関しては本質的には関係があるとは言えないと考えることが出来ます。
しかしながらショートスリーパーにはたくさんの時間を使うことが出来るという現実的なメリットに加えて、競争に有利に働く性格を身につけることが少なくありません。
近年活躍している人物の中では、アメリカ大統領のドナルドトランプ氏も短時間の睡眠しかとらないことで有名です。非常に少ない睡眠時間にもかかわらず精力的に仕事をして成果を出し続けることが出来るというのは、一つの能力であるともいえます。
また、このような活動を可能にしている人物の研究者の中には、特異な遺伝子の存在を指摘するものもあります。
睡眠の研究の中でも重要なのは睡眠時間ではなく睡眠の質であるという結論を出している研究者は多く、最初の睡眠時間を良質にできるかどうかが重要と言われています。
そのために機能する遺伝子の中にはレム催眠が極端に短くなるという特徴を持つ人が多く、深い眠りを短時間で済ませることが出来るという特徴を持っているのです。
その意味では兆時間眠らないとパフォーマンスが出ないという人とは、遺伝子レベルで仕組みが違うともいえそうです。
もう一つは性格的な特徴があることも指摘されています。個人差のある問題ではありますが、外交的でエネルギーに満ちており、野心家であるという傾向があるといわれています。
実際に歴史に名前を残している人物の中にも、睡眠時間が短いということが特徴として知られているケースがいくつもあります。
単純作業や退屈な時間を作ることを嫌うというのも一つの性質であるといえます。
しかしながらこのような短時間の睡眠でパフォーマンスを上げていくというのは、特定の遺伝子を持つ人間の特権であるといえるのでしょうか。
結論から言えば、現段階ではノーであると考えられています。
体質的に長時間の睡眠がなければパフォーマンスの上がらない、いわゆるロングスリーパーには難しいことであるといわざるを得ませんが、通常の生活をしている9割ほどの人にとっては生活の改善によって無駄な睡眠時間を削減するということはできるかもしれません。
そのような改良の余地というものが、ある程度は残されている世界であるともいえるでしょう。
現在のところごく普通の睡眠習慣を持っている人でも、必要があれば早く起きて活動することが出来るという人は珍しくありません。
しかしながらそれが毎日のことではなかったり、不規則に変化する場合には心身への負担が大きくなることもあるでしょう。
ただし少しずつ睡眠時間を削減する方向で体を慣らしていくことで、後天的に睡眠時間を短くしていくことは可能であると結論付けられています。
必ずしも睡眠時間が短いほうが良いというものではありませんが、貴重な時間を有効活用しながらパフォーマンスを維持することが出来るのであれば有効な生活改善になるかもしれません。
