最近は、「日焼けやシミ・ソバカスが心配」「紫外線を浴びすぎるとガンになる」と言って太陽光に当たるのを嫌がる方もいると思います。
じつは日光に当たるという行為は、ストレスコントロールの役割を担っている「セロトニン」という脳内物質の活性化をするための、最も重要な要素の一つなのです。
今回は、日光浴によるセロトニン活性化の効果をより高めるための方法をお伝えしていきます。
セロトニンを増やすためには太陽光が必要
セロトニン神経が外からの刺激で唯一活性化の影響を受けるのが太陽光です。
セロトニン神経は日中に一定のリズムでセロトニンを出し続ける特性があります。日光浴をすることで、網膜から入った光信号(太陽の光)が脳に伝わり、セロトニン神経が活性化して脳を覚醒状態にするわけです。
冬の長い北ヨーロッパの人々には、日光が不足することで起きる季節性感情障害が多いことが知られています。
日本でも梅雨や冬の時期になると、落ち込みやすくなったり、うつうつとしてくる方が多いのではないでしょうか。このようなことが起こるのは、太陽光の不足によるセロトニンの減少が原因ではないかとされています。
太陽光不足度チェック
現在、人の生活はどんどん夜型になっている傾向があり、太陽光を十分に浴びていない人が増えています。
太陽光が不足しやすい原因になる次の10項目に当てはまるかチェックしてみましょう。
- 部屋に朝日が入らない
- 部屋の日当たりが悪い
- 昼夜逆転の生活をしている
- 日中に外へ出る機会が少ない
- 休みの日は昼過ぎまで寝ている
- 休みの日はインドア派
- 身の回りの物は通信販売で買うことが多い
- 外で体を動かす習慣がない
- 最寄り駅まで5分以内につく
- 電車は地下鉄を使うことが多い
8項目以上当てはまる方は太陽の光が不足していると思われます。生活習慣や住まいの環境の改善が必要かもしれません。
日当たりの悪い環境で生活していると、太陽光が不足しがちになりセロトニンが足りなくなります。気分が落ち込む原因の一つとも言えます。
また、デスクワークなど日中に外に出ない毎日だと太陽光が不足しがちになります。
このごろ不調だとか、気分が晴れないという方は、5分からでもいいので太陽光を浴びる習慣をつけてみましょう。
セロトニンを増やす日光浴のやり方
一回当たりの時間
セロトニンの活性化トレーニングは、無理なくが基本です。太陽光も浴びすぎると脳が疲れてしまい逆効果です。30分程度が目安で、長くても1時間以内が適切ですが、疲れを感じたら終了しましょう。
また、日光の強さによっても適した時間は変わります。真夏の日光はとても強力なので、疲労を感じるのも速くなります。無理をせず短時間で済ませることも大切です。
時間帯は朝がベスト
朝日は、日中の太陽光に比べて照度が強くありません。なので、日中に比べて長く日光浴を続けることができます。とくに真夏の太陽光はきついので、散歩などでセロトニン補給をするつもりなら朝がいいでしょう。
家の蛍光灯は照度が足りない
セロトニン神経を活性化させるためには、2500ルクス以上の照度が必要だと言われています。
一般的な蛍光灯の光は良くて500ルクス程度なのに対して、太陽の光は曇りの日でも10,000ルクスを超えることがあります。セロトニン神経を活性化させる光源としては、太陽が最も適していると言えますね。
生活をちょっとアレンジすれば太陽光を多くとれる
早起きしてカーテンを開ける
毎日出かけるギリギリまで寝ている生活を改善して、1時間早く起きてカーテンから朝日を取り込めば、いつもより多く太陽の光を浴びることができますね。そのまま深呼吸をすれば、どんどんセロトニンが活性化していきます。
ついでに、室内でできるヨガやスクワットなどのリズム運動を10分ぐらいでもやれば、脳が覚醒して日中眠くなるなんてこともなくなるはずですよ。
窓際で朝食をとる
たまには窓の近くに移動して、陽射しをたっぷり浴びながら朝食をとってみてはいかがでしょうか。
テレビやスマートフォンなどを見たりする「ながら食事」をやめて、ゆっくりとよく噛んで食事をすると、リズム運動の相乗効果が期待できます。
時間のある休日なんかでは、テーブルと椅子をベランダに持ち込んで、朝日を感じながら朝食をとってみてもいいですね。
隣の駅まで歩いてみる
時間に余裕があるのであれば、一駅分歩いてみるのもいいかもしれません。
必然的に日光を浴びる時間が長くなるだけではなく、散歩によるストレス解消効果も期待出来るうえに、運動不足の解消にもなるなど良いことづくしです。
ただし、真夏日などに無理をして長距離を歩くのは避けましょう。無理なくが基本です。
最後に
太陽の光というのは思った以上に、人にとってなくてはならないものなのです。
夜更かしが常習化している方は、生活リズムの改善を考えてみましょう。今の生活を少しだけでも変化させ、意識して太陽の光を浴びるようにすれば、ストレスを受け流す強い身体を作ることができるはずです。